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新書のためになるNEWS

今こそ会社は変わらなければならない。 誰もが口を揃える昨今だ。
だが、なぜ、どのように変わるべきか。 明確につかんでいる経営者やビジネスマンは、はたしてどれだけいるだろうか。
変化は、確実に起こっている。 数多くの企業が新潮流に乗り遅れまいと、必死でさまざまな可能性を探っている。
だが、そこに5年後、10年後の確かなビジョンはあるだろうか。 ビジョンの欠如は、事業の再構築(リストラクチャリング)という本来の意味からはかけ離れた人減らしリストラの横行にも見て取れる。
苦しくなったから、不採算部門を切り捨てる。 先が見えないから、人を切り捨てる。

こうしたその場しのぎの対応は、まず優秀な人材の流出につながりかねない。 これでは、本当の意味での企業再生など難しい。
苦境に立ってからリストラに着手しても、なかなか成果は表れない。 経営破綻した大手百貨店そごうやリストラ推進中の日産、ダイエーの苦闘からもうかがえよう。
目先の収益確保に追われている状態では、未来戦略どころではない。 リストラにも、巨額な資金と体力が必要なのである。
たとえば、経営危機に陥った長崎屋は店舗を閉鎖するための資金を確保するところが、Aリコジャパンは苦しむ同業他社を尻目に、不況下でも堅実な成長を続けていた。 はた目には経営改革の必要性など何1つ見当たらない好調ぶりだったが、そんな時期に、同社は決然として、プロセス.リエンジニアリング(業務プロセスの根本的見直しと再設計)を中核に据えた企業改革に着手したのである。
人間と同じように、企業もまた生きものである。 だから、早め早めに健康診断を受け、資金にゆとりのあるうちに、きちんとした予防や手当てを行う必要があるのではないか。
こうした観点に立って見るとき、トリプルAカンパニーとして知られるAリコジャパン(米国に本社を構えるAリコアメリカン.ライフ.インシュランス.カンパニーの日本支社)の経営改革は、大きな示唆に富む。 「プロジェクトオゾン」と名づけられたこの経営改革は、今から5年前の1995年にスタートした。
1995年といえば、あの阪神.淡路大震災が起きた年である。 多くの企業がバブル経済破綻後の構造不況にあえぎ、生命保険各社も不良債権や逆ざやに苦しめら聞社)は日本でもベストセラーになり、この新しい経営改革手法は多くのマスコミや経営者にもてはやされた。
ところが、現状の否定から出発するこの手法は現場からの激しい抵抗にあい、ブームは波のように去ってしまった。 その引いた波に乗るようにして輸入されたのがリストラクチャリングだったが、この手法も本来の意味をほとんど理解されることなく、今では人減らしの代名詞となっている。
話が少し横にそれたが、Aリコジャパンは、このリエンジニアリングの本来の意味を理解し、果敢に企業改革に挑戦して成果を収めた数少ない企業である。 プロジェクトが終盤に入った1998年には、世界的格付け機関Sタンダード&プアーズ社より「保険財務力AAA(トリプルA最高評価)」の格付け評価を受け、現在まで維持している。

保険財務力とは、生命保険会社の体力と信用力を見きわめるうえでの重要な指標である。 ちなみに、Aリコジャパンの母体であるAリコは、Sタンダード&プアーズ社によるトリプルAの格付けを1986年以来維持している。
さらに1998年2月には、もう1つの世界的格付け機関であるMディーズ社からもトリプルAの評価を受け、現在まで維持している。 2000年9月現在、この2つのトリプルAを取得している生命保険会社は、わが国にはAリコしか存在しない。
さて、1998年1月、日本支社単体としてもトリプルAの評価を受けたAリコジャパン.は、その2か月後に「プロジェクトオゾン」のプロジェクトチームを解散し、経営改革の成果を各現場の日常業務レベルで浸透させることに力点を移した。 浸透状況を2年間にわたってモニターし続け、2000年に入ると、その成果を踏まえた新たな改革に着手しなぜ、会社は変わらなければならないのか。
何に向かって、どのように変わっていけばいいのか。 果敢なチャレンジを追ったこの記録が、今変わろうとしているすべての経営者やビジネスマンにとって、何らかの手がかりや刺激になれば幸いである。
2001年1月1日、わが国の保険業界は日本版金融ビッグバンの最終局面に突入する。 最後の垣根といわれてきた「第三分野」に関する規制が取り払われるのだ。
第三分野とは、ガン保険など生命保険と損害保険の中間に位置する商品で、傷害保険.医療保険.介護保険などが含まれる。 この第三分野商品は、これまでAリコなど外資系生命保険会社と中小の国内生命保険会社しか販売できなかった。
ところが、2001年からは国内大手生命保険会社も販売できるようになり、文字どおり垣根のない織烈なサバイバル競争がスタートする。 ちなみに、第一分野とは人の生死に関連して一定額の保険金を支払う「生命保険」を指し、生命保険会社(以下生保)の主力商品である定期.終身.養老保険などが含まれる。
また第二分野とは、事故や災害による損害を補償する「損害保険」を指し、損害保険会社(以下損保)の主力商品である自動車保険.火災保険などが含まれる。 従来、保険業界は各種規制にもとづく棲み分けによって、それぞれの収益を確保してきた。
基本的に生保会社は生命保険を、損保会社は損害保険を売り、お互いに市場を喰い合うことはなかったのである。 この棲み分けを崩したのが、1995年9月に可決された「新保険業法案」だった。
この法案の施行によって、翌年10月1日から「子会社方式による生損保兼営」が可能になった。 生保会社は、損保子会社をつくる。

損保会社は、生保子会社をつくる。 そうすることによって、生保、損保の両方を自由に売ることができるようになったのである。
受けて、損保会社側はT京海上火災保険をはじめとする2社が生保を扱う子会社を設立して、生保市場に参入。 一方、生保会社側は日本生命をはじめとする6社が損保を扱う子会社を設立し、損保市場への参入を果たした。
この生損保相互参入は、わが国の保険業界にとって自由化時代突入の号砲となり、垣根を超えた販売競争を強いたが、まだほんの序の口にしかすぎなかった。 なぜなら、業界にはまだ「第三分野」という垣根が残されていたからである。
ガン保険など第三分野の商品が、外資系生保や中小の国内生保しか扱うことができなかった背景には、1993年以来続いている「日米保険協議」の意向があった。 米国は、これまで一貫して日本の保険市場の閉鎖性を指摘してきた。
いってみれば、保険業界の完全自由化を求めてきたのだが、日本側の抵抗もあって特に第一、第二分野での規制緩和はなかなか進まなかった。 そこで外資系保険会社は、国内大手があまり力を入れていなこれに対し、Aリコジャパンなど外資系生保各社は、初期においては定期保険や医療保険など小まわりのきく単品を武器に国内大手生保に戦いを挑んだ。

また、国内大手生保の主力商品である定期付終身保険に対しても、保険料の安い終身保険を対置しエンドユーザーに発かつた第三分野に焦点を当てた事業展開をせざるを得なかったのである。 ところが、日本版ビッグバンの進展で全分野での規制緩和が話題にのぼるようになり、今度は米国側がこれに待つたをかけることになった。

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